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世田谷・就労移行支援事業所グディの園芸プログラムについてご紹介いたします。

本日は、前回に引き続き、1月19日(金)に行った『蘭の流木付け』のご報告になりますが、

プログラムの内容に触れたいと思います。

 

園芸プログラムには、『栽培』と『工房作業』の2つの柱があります。

今回の『蘭の流木付け』は、この2つのミックスになるということは、前回(その1)で

すでにお知らせ致しました。

 

世田谷・就労移行支援事業所グディの園芸プログラムは、パワーポイントを使用して

利用者の皆様にご説明することが多いです。

 

1.パワーポイントを見ながら、説明を聞いて頂きます。

①『蘭の種類は、どのくらいあるでしょうか?』

→野生種だけで15,000~25,000あります。

なんと、蘭が占める割合は、地球上の植物全体の10%にもなります。

 

②『地球上で蘭が存在しない場所は、どこでしょうか?』

→南極です。南極には、大陸がありません。氷の世界だけでは蘭は生きられないのですね。

「では、北極にはあるのか?」という質問が、利用者さんから飛びました。

今度、知れべてみようと思います。

 

③『蘭の種類分けの方法はどのようなものがあるでしょうか?』

→自生地によってわける方法(西洋ランと東洋ラン)

→蘭の根の特性によってわける方法(自生ランと着生ラン)

土深く根が張るものを自生ラン、木の幹や岩肌に根が張るものを着生ランといいます。

 

④『今回、使用した胡蝶蘭はどちらでしょうか?』

→着生ランです。私たちが通常、目にする胡蝶蘭は、立派な鉢に植えられているので

自生ランと思われがちですが、実は着生ランです。本来は、木の幹などに着生する

ものなんですね。そう考えるとむしろ、胡蝶蘭にとって、今回の『蘭の流木付け』は

自然に則した好ましいものなのかもしれません。

 

2.パワーポイントを見ながらの説明が一通り終わると実際の作業に入ります。

3.作業終了後、片付けをしてから記憶の確認や感想をお聞きします。

実際にその日に行った作業・プログラムを振り返って頂くことになります。

 

 左:利用者M.Tさん製作/右:利用者Y.Eさん製作

 

利用者MTさんの感想

「難しかった!流木付けはやったことがありません。」とのことでした。

しかし、そう言いながらも、実は、以前に農業や園芸の経験があることを話して下さいました!

M.Tさんからは、いつも「園芸は、全くやったことがない。」という言葉しか聞いていません

でしたので、私たち支援員には驚きでした。

ご本人からすると、農業や園芸の経験は辛い思い出があるので、思い出すのが嫌だったそうです。

 

世田谷・就労移行支援事業所グディでは、利用者さんを無理にプログラムに参加させることは

していません。まずは、ご本人の意思を第一に考えます。

しかし、私は思うのです。

利用者さんと支援者の数名が集まって、どこか楽しい雰囲気で何かやっていたら、興味を示す人が

多いのではないかと。まず、利用者さんとの初めの一歩はそこからだと考えています。

実際、やってみるのが不安な人は、プログラムの「見学参加」でも構いません。

 

 利用者Y.Eさんの作品の一部分拡大写真です。

 

利用者Y.Eさんの感想

「手と頭を使う良い機会でした。自分の性格や弱いところがわかった気がします。」とのこと。

利用者Y.Eさんは、園芸経験は全くありません。しかし、実際、作業をして頂いて驚きました。

ワイヤーの止め方が、見事です!何より美しさがありました。

そこで、その点をお尋ねしてみたら、「プラモデルをやっていました。」とのお返事でした。

 

世田谷・就労移行支援事業所グディの園芸プログラムでは、園芸経験を問いません。

園芸経験などなくても、利用者Y.Eさんのように過去の経験が、何かの時に役立つ場合があるのです。

おそらくそれは、園芸プログラムに限ることではないでしょう。

就労するということについても同様のことが言えると思います。

文責/園芸担当:苔神女(こけしめ)